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EC

2022.03.21

ECサイトをオリジナルで全部作り上げるのを依頼する時の答え(と鮨の話)

ECサイトをオリジナルで制作するとき

カートや在庫があるECサイトをゼロから作るときの配慮ポイント

在庫の扱い

ECサイトって商品の色やサイズなんかがカテゴリーでついていて。
その色やサイズの組み合わせに対して在庫が存在するので、
人の目には商品という単位でカウントしますが、
プログラムとしてはサイズと色の組み合わせでカウントしないといけないというところで一つややこしい部分があります。

商品テーブルに在庫数をもたせてしまい、
色やサイズがそのリレーション情報で作成してしまったりすると
あとから黒のLサイズは在庫切れなのに、まだ在庫があるように見えてしまうので注意です。

カートの存在

ECは在庫がある場合は「カート」に入れます。
カートに入ってある意味予約してるような状態でも、
在庫はなくなったりします。
ログインをしていないブラウザのカートやログイン後のユーザのカートをいつまで持たせるのかというところで配慮した設計にする必要があります。

決済機能

カートをオリジナルで作る場合、決済は決済のみのAPIを使うことになります。
このとき、例えば10名が一斉に購入のリクエストをした場合、
ひとつのプロセスで購入の処理が終わっていない間に
次々と購入のリクエストが走り、APIのレスポンスがあとからリクエストしたものが早く返ってくるということもあります。
決済APIにおいてオーソリの概念の理解をして適切にキャンセル処理をしないといけないところが少しややこしいところです。

見せる在庫と本当の在庫

ECサイトを運営する事業者側は10個あったとしても、
実際に手元にあるわけではなくて、他店に確認をして本当にあることを確認するまでわからなかったり、あと少しで売り切れですよという演出をするために、本当の在庫と見せる在庫を分けて登録することがあります。
この設計は在庫数を購入のデータでカウントしていたりしてしまうと対応不可能になるため注意が必要です。

クレジットカードを使わない問い合わせ購入への配慮

この商品はクレジットカードでOK、この商品は、振り込みにして欲しいというようなことがあったりします。店舗単位で支払い方法を管理してしまうと、あとからこの商品は問い合わせとなった場合に対応ができなくなります。
ここは注意が必要です。

購入ステータスへの配慮

商品は、未購入、購入済み、支払済(発送準備)、発送済み、キャンセル
のようにステータスを管理できる必要があります。
キャンセルは当然在庫を復活させる必要があるので細かいプログラム配慮が必要です。ときどき流通事業者へのAPIと連動することもあることも注意です。

請求書・注文書の存在

業務によっては、請求書や注文書を自動発行することがあります。
その注文IDや請求書IDにルールがある場合は事前にEC運営者に聞かないといけません。オーダーが変わったときに同じ注文でadminが修正するのか、
一度キャンセルにするのか等細かい業務とシステム設計が必要となります。

オーダー単位の確認

例えば、複数の商品が一度にカートにはいりオーダーされた場合で、
キャンセルはある特定の商品だったりすることに設計は対応していないといけません。オーダーそのものをキャンセルするような設計にしてしまうことがないように配慮する必要があります。

過去の注文データへの配慮

例えば、ある商品が注文され、決済され、注文書も請求書も発行されているときに、商品の値段が変わった場合、その注文書や請求書の金額も変わってしまうような設計にしていることが多々あります。過去のデータへ配慮したテーブル設計が必要です。

じゃあどういう設計にすればいいだよ

これですね。

弊社は、東南アジアで1番大きなB向けECの設計や実装をしてきたり
東南アジアではじめに作られたLIVE ECを設計実装してきたりしました。
その経験から、ライトに最低限配慮したECの設計は上記になると考えています。

もちろんこれはベースで、実際はいろいろ毎回変わっていくのですが、
ゼロから設計しないといけないことになったという場合はだいぶ助かるのではないかと思います。

カート事業者を選ぶ

そもそもECとカートを分けて考える文化があるのはこのようにカートの部分だけでもそれなりに配慮しないといけない部分があるためですね。
でも、上記のようにはじめからいろいろ分かってる場合はオリジナルでカート付きのECを作れたりします。カートだけで月々の費用はけっこうするので、カートはゼロにしたいですね。ECでかかるのは決済手数料とサーバー費だけとなります。

鮨の話

まったくECと関係ないのですが、
弊社はいずれは鮨屋をやろうとしてる関係で、
鮨に興味があります。

最近の鮨屋の動向

2010年代に予約が取れない鮨屋として「すきやばし次郎」「すし匠」「鮨水谷」「あら輝」「鮨さいとう」のような3つ星の店でした。

ミシュラインガイドブックが出たというのも大きく、
海外の人からの目にも留まり、外国人がミシュラン掲載の鮨屋にいくようになり
オバマ大統領もすきやばし次郎に行ったことで銀座の店は三つ星以外でも
予約が難しくなっていきました。

その流れが続く中で、別の文脈から有名になったのが
「都寿司」「鮨なんば」です。
星がついていなくてもおいしいということなんていくらでもあるのですが、
この二店舗もそれです。
ミシュランクラスの実力があった上でのコスパの高さで口コミで評価され
中心地から離れた場所でも予約が取れない店があり、
またそれが銀座の鮨にも劣らないことを示しました。

2015年あたりからは、銀座ではなく少し土地代が安い渋谷、目黒のような場所に
鮨屋の名店は増えてきます。

その先頭を切ったのが「鮨 尚充」「鮨りんだ」「鮨はしもと」「くろ崎」
30代の鮨大将の店です。
これまでの鮨の常識に囚われず「カメラはだめだっ」「SNSなんてくだらない」
「本当の鮨は〜」と言ってる店を尻目にどんどんSNSを意識したマーケティングを行い成功を収めていきました。

「東麻布 天本」は映える鮨ということを圧倒的に意識し、
おいしいのは高級食材を使っているから当たり前。
とことん楽しませる。もはや鮨は食べるためのものだけじゃないぞ。
というようなやり方で、これがとても評価され脚光を浴びました。
劇場型の鮨屋です。

このような特別感は会員制の鮨屋への移行を産み出し
またSNSの時代かと感じた若手鮨職人はこぞって映えを意識したメニューを開発しました。
会員制は「鮨さいとう」「三谷」
映えはもちろん圧倒的な実力も備えつつ「鮨由う」「鮨在」「照寿司」はSNSを有効に使い積極的にSNSを推奨しています。

まだこのようなトレンドは続く中、
「高柿の鮨」「鮨しゅん輔」「鮨桂太」のような
本当に「うまい」ということだけを追求している若手の鮨屋もでてきています。

鮨のトレンドを無視して本家から考えてみる

トレンドはさておき、大元からおいしい鮨をしっかり見ていくことをしてみるとなかなか面白いです。
例えば、あの有名なすきやばし次郎は与志乃から独立した鮨屋で、
その与志乃は中野坂上の中乃見家から独立した鮨屋です。
中乃見家が大元で、そこからは与志乃と鮨やじまを生んでいます。
与志乃は銀座の
 すきやばし次郎、新橋の鮨水谷、浅草の鮨松波を産み出し、
 すきやばし次郎は
  銀座の青空、表参道のます田や鮨あおを産んでます。
 松波は南青山の鮨あきを産みました。
 特に鮨あきはしっかりと受け継がれた系譜がありながら2020年12月にオープンしました。

鮨あき

トレンドから見るのも、元から見ていくのも面白いですね。
今後の鮨の動向を追っていきましょう。弊社は開発会社です。