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経理・会計担当者向けガイド

勤怠管理システムの
勘定科目・仕訳方法

クラウド型・パッケージ型それぞれの会計処理を
仕訳例付きでわかりやすく解説します

クラウド型
通信費 / 支払手数料
パッケージ型
ソフトウェア(無形固定資産)

導入形態別の勘定科目一覧

勤怠管理システムの費用項目と適用する勘定科目を整理しました。

費用項目 クラウド型の勘定科目 パッケージ型の勘定科目 補足
月額利用料 or (該当なし) 毎月の経費として計上
ソフトウェア購入費
(10万円以上)
(該当なし)
(無形固定資産・5年償却)
耐用年数5年で定額法償却
ソフトウェア購入費
(10万円未満)
(該当なし) 一括費用計上が可能
初期設定費用 (取得価額に含める) 重要性に応じて判断
カスタマイズ費用 or (取得価額に含める) 資産性の有無で判断
打刻端末(10万円未満) ICカードリーダー等
打刻端末(10万〜30万円) (少額特例可) (少額特例可) 中小企業は即時償却可能
年間保守費用 (月額に含む) or 毎期の費用として計上
データ移行費用 一時的な費用として計上
研修・トレーニング費用 従業員向け操作研修

クラウド型の仕訳例

KING OF TIMEを100名で利用する場合の仕訳例です。

仕訳例1:月額利用料の支払い

KING OF TIME 月額300円×100名 = 30,000円(税抜)を口座振替で支払った場合

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
通信費 30,000円 普通預金 33,000円
仮払消費税 3,000円
ポイント: 「通信費」の代わりに「支払手数料」でも可。社内の勘定科目体系に合わせてください。消費税は課税仕入れ(10%)として処理します。

仕訳例2:年間契約料の一括前払い

年間契約で360,000円(税抜)を一括前払いした場合(決算月:3月、支払月:4月)

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
前払費用 360,000円 普通預金 396,000円
仮払消費税 36,000円
ポイント: 年間一括払いの場合は「前払費用」として資産計上し、毎月30,000円ずつ「通信費」に振り替えます。短期前払費用の特例(1年以内)を適用すれば、支払時に全額費用計上も可能です。

仕訳例3:初期設定・導入支援費用

初期設定費用100,000円(税抜)を支払った場合

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
支払手数料 100,000円 普通預金 110,000円
仮払消費税 10,000円

パッケージ型(買い切り型)の仕訳例

就業奉行11をパッケージ購入(500,000円)した場合の仕訳例です。

仕訳例4:パッケージソフト購入時

ライセンス費用500,000円(税抜)を購入した場合

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
ソフトウェア 500,000円 普通預金 550,000円
仮払消費税 50,000円
ポイント: 「ソフトウェア」は無形固定資産として貸借対照表に計上。取得価額には初期カスタマイズ費用も含めます。

仕訳例5:減価償却(決算時)

500,000円のソフトウェアを5年定額法で償却(年額100,000円)

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
減価償却費 100,000円 ソフトウェア 100,000円
ポイント: ソフトウェアの耐用年数は原則5年(税法上の法定耐用年数)。定額法で毎期均等に償却します。期中取得の場合は月割り計算が必要です。

仕訳例6:年間保守費用の支払い

年間保守契約費用80,000円(税抜)を支払った場合

借方(デビット) 貸方(クレジット)
勘定科目 金額 勘定科目 金額
支払手数料 80,000円 普通預金 88,000円
仮払消費税 8,000円

消費税の取扱い

国内サービスの場合
  • 月額利用料 → 課税取引(10%)
  • パッケージ購入 → 課税取引(10%)
  • 保守費用 → 課税取引(10%)
  • 初期設定費用 → 課税取引(10%)
  • 研修費用 → 課税取引(10%)

国内ベンダーのサービスはすべて消費税の課税対象です。仕入税額控除の対象となります。

海外サービスの場合
  • 海外クラウドサービス → リバースチャージ方式が適用される可能性
  • 事業者向け電気通信利用役務 → 国内事業者が申告・納付
  • 消費者向け電気通信利用役務 → 海外事業者が登録・納付

海外ベンダーのサービスを利用する場合は、リバースチャージ方式の適用有無を確認してください。

税務上の注意点

少額減価償却資産の特例

中小企業者等は、取得価額30万円未満の減価償却資産を年間300万円まで即時償却(一括費用計上)できます。打刻端末や小規模なパッケージソフトに適用可能です。

一括償却資産(10万〜20万円)

取得価額が10万円以上20万円未満の資産は、3年間で均等償却(一括償却資産)として処理できます。事業規模を問わず適用可能です。

短期前払費用の特例

年間契約料を一括前払いした場合、1年以内のものは支払時に全額費用計上できます。毎期継続して適用することが条件です。

IT導入補助金の会計処理

補助金は「雑収入」として計上。固定資産の場合は圧縮記帳が可能。クラウド利用料への補助は受け取った期の収益として処理します。

会計ソフトとの連携

勤怠管理システムと会計ソフトの連携方法を製品別にまとめました。

勤怠管理システム 連携可能な会計ソフト 連携方法 自動仕訳
freee勤怠管理Plusfreee会計API自動連携対応
マネーフォワード勤怠マネーフォワードクラウド会計API自動連携対応
ジョブカン勤怠管理弥生会計、freee、MF他CSV連携(給与経由)一部対応
KING OF TIME弥生会計、freee、MF他CSV連携(給与経由)一部対応
就業奉行11勘定奉行11自動連携対応
タッチオンタイム各種会計ソフトCSV連携非対応
ジンジャー勤怠各種会計ソフトCSV連携(給与経由)一部対応
チームスピリットSalesforce経由で各種連携API連携一部対応
レコル各種会計ソフトCSV連携非対応
CLOUZA各種会計ソフトCSV連携非対応
HRMOS勤怠各種会計ソフトCSV連携非対応
AKASHI各種会計ソフトCSV連携(給与経由)一部対応
kinconefreee、MF他API連携一部対応
勤次郎Smart各種会計ソフトCSV連携非対応
Galileopt勤怠Galileopt会計自動連携対応
経理DXのポイント: freee会計×freee勤怠、マネーフォワード会計×マネーフォワード勤怠、勘定奉行×就業奉行のように、同一メーカーの組み合わせが最もスムーズに連携できます。

会計処理の導入事例

CASE 1:クラウド型

IT企業(50名)→ freee勤怠+freee会計

freee勤怠の月額利用料をfreee会計に自動連携。「通信費」で仕訳が自動生成され、経理担当者の手作業がゼロに。インボイス制度対応も自動。

勘定科目:通信費 / 消費税:自動計算
CASE 2:パッケージ型

製造業(300名)→ 就業奉行11+勘定奉行11

就業奉行11(ライセンス50万円)を「ソフトウェア」として資産計上。5年定額法で年間10万円を償却。年間保守料は「支払手数料」で処理。

勘定科目:ソフトウェア(5年償却)/ 保守料:支払手数料

勘定科目に関するよくある質問

「通信費」または「支払手数料」として計上するのが一般的です。会社の勘定科目体系に合わせて「業務委託費」や「ソフトウェア利用料」として処理する場合もあります。継続性の原則から、一度決めた科目は変更しないようにしましょう。

10万円以上のパッケージソフトは「ソフトウェア」(無形固定資産)として計上し、耐用年数5年で定額法により減価償却します。10万円未満なら「消耗品費」で一括費用計上可能です。

クラウド型の初期設定費用は「支払手数料」として費用計上するのが一般的です。パッケージ型の場合は、ソフトウェアの取得価額に含めて資産計上します。金額の重要性と会計方針により判断してください。

国内のクラウドサービス利用料・パッケージ購入はすべて課税取引(10%)です。仕入税額控除の対象となります。海外ベンダーのサービスの場合はリバースチャージ方式が適用される可能性があります。

補助金収入は「雑収入」として計上します。固定資産取得に対する補助の場合は圧縮記帳が適用可能で、取得価額から補助金額を控除できます。クラウド利用料への補助は受け取った期の収益として処理します。

10万円未満は「消耗品費」、10万〜30万円は中小企業の特例で「少額減価償却資産」として即時償却可能、30万円以上は「工具器具備品」として資産計上し耐用年数に応じて減価償却します。

freee勤怠はfreee会計と、マネーフォワード勤怠はMFクラウド会計と自動連携できます。就業奉行と勘定奉行もシームレスに連携。それ以外でもCSV出力→会計ソフトへのインポートで連携可能です。同一メーカーの組み合わせが最も効率的です。

関連法令・参考リンク

  • 法人税法施行令 第13条(減価償却資産の範囲)
  • 法人税法施行令 第133条(少額減価償却資産)
  • 法人税法施行令 第133条の2(一括償却資産)
  • 租税特別措置法 第67条の5(中小企業の少額特例)
  • 消費税法 第4条(課税の対象)
  • 消費税法 第5条(リバースチャージ)
  • 企業会計基準 第18号(ソフトウェアの会計処理)
  • 国税庁 - タックスアンサー

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